私的に雇われた女中

上臈御年寄から御半下までの奥女中は幕府に直接雇われているのですが、大奥には幕府直属の奥女中の他にも女中がいました。彼女らは部屋方または又者と言われ、上級女中が自分の部屋で身の周りの世話をさせるために雇った私的の女中です。もちろん彼女らの給料は幕府からは出ないので、雇った女中が自身の手当てから出しています。奥女中同様、部屋方もいくつかの種類に分かれていて部屋方の女中頭とも言えるのが局。主の衣装など身の回りの世話をするのが相の間で、炊事・掃除などの雑用や力仕事は「たもん」が行なっていました。

奥女中の中では下っ端でも

自分の手当てから部屋方の給料を出すことから、個人で部屋方を雇うのは上級女中が多かったです。しかし御仲居以下の奥女中も数人で部屋方を共有するなどシェアしていたこともありました。最下層の御半下でも自分専用に下女を雇っていた例もあり、奥女中では位が下でも庶民から見たらリッチだったようです。