奥女中のトップ・老女

大奥で働く奥女中の中でもトップクラスの階級が上臈御年寄、小上臈、御年寄が該当する「老女」です。彼女たちは大奥の一切を取り仕切る、表（幕府の中央政庁）の老中に匹敵するほどの重役を担っていました。上臈御年寄と小上臈は公家出身の者が就ける役職で、上臈御年寄は主に御台所の文芸の相手を、小上臈はその見習いをしていました。身分はこのふたつの役職の方が上とされていますが、実際に大奥を取り締まっていたのは御年寄です。御年寄に就くのは中奥で将軍のそばに仕えていた高級旗本の娘が多かったそうです。いずれにしろ高い身分の出身であることが必要不可欠でした。

御年寄より上？

大奥の実権を握り、実質奥女中の最高権力者であるように見える御年寄が、何故権力を殆ど持たなかった上臈御年寄や小上臈より階級が下だったのか。それは御年寄が武家（旗本）出身であるというのが理由であるとされています。江戸に下ったとはいえ出身が公家である上臈御年寄、小上臈は御年寄＝武家の娘よりも上の階級をという考えからこの図が出来上がりました。