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序列と役職の明確化

大奥法度における「序列と役職の明確化」について詳しく説明します。

大奥は多くの女性が生活する場所であり、内部の秩序を維持するために厳格な序列と役職の制度が設けられていました。以下に、主な役職とその序列、役割について詳しく説明します。

1. 最高位の役職

御台所(みだいどころ)

将軍の正室(正式な妻)であり、大奥内で最高位の地位を持つ女性です。大奥全体の統率者としての役割を果たし、大奥内の重要な決定に関与しました。

中奥(なかおく)

将軍の母親や祖母がこの位置に就くことがありました。彼女たちも大奥内で非常に高い地位を持ち、影響力を持ちました。

2. 高位の側室

側室(そくしつ)

将軍の側室たちは、御台所に次ぐ高位の役職を持っていました。側室は将軍の子供を生むことが期待され、その地位は出産した子供の性別や将軍の寵愛度合いによって変動することもありました。

3. 年寄役

年寄(としより)

大奥内で高い地位を持つ年長の女性たちで、主に大奥の運営や規律の監督を行いました。年寄役には以下のような役職がありました。

御年寄(おとしより)

大奥内で最も権威のある年寄役です。大奥全体の運営を監督し、重要な決定に関与しました。

上臈(じょうろう)

御年寄に次ぐ地位を持つ年寄役で、大奥内の運営や新人の教育などを担当しました。

4. 中級の役職

局(つぼね)

中級の役職で、具体的には以下のような役職があります。

御中臈(おちゅうろう)

将軍や側室に直接仕える役職で、日常の世話を担当しました。

御広敷(おひろしき)

大奥内の事務や経理を担当する役職で、広敷の管理や物資の調達を行いました。

5. 下級の役職

新造(しんぞう)

新人の侍女で、大奥内での生活や業務を学ぶための訓練を受ける期間にある女性たちです。

御末(おすえ)

新造の中でも特に若い女性や新参者がこの役職に就きました。彼女たちは主に雑務を担当し、将来的に昇進することを期待されていました。

6. 特殊な役職

御殿女中(ごてんじょちゅう)

特定の技能や職務を持つ女性たちで、医療や芸能など専門分野で活躍しました。

奥女中(おくじょちゅう)

大奥内の管理業務を行う女性たちで、物資の管理や事務処理を担当しました。

序列と役職の影響

大奥内の厳格な序列と役職の制度は、内部の秩序を維持するために重要でした。それぞれの役職には明確な責任と役割が割り当てられており、女性たちはその序列に従って生活し、業務を遂行しました。この厳格な序列と役職の制度は、大奥内の女性たちが協力し合いながらも、権力闘争や派閥争いを引き起こす要因にもなりました。