永~い婚礼行列
大奥関連で最大級の行事と言えるのが輿入れではないでしょうか。婚礼行列は女中(御台所になる姫君に仕えている女中と大奥から派遣された女中)たちや、警備の責任者として参列する旗本などで構成されていました。行列は大人数で作られているので、先頭が江戸城に到着したのに行列の最後はまだ出発地点付近にいた、ということもあったそうです。なお京から輿入れする姫君は婚礼以前の婚約者のうちに江戸城に入っているため婚礼当日に行列は作られませんが、上洛の際に組まれる道中行列は婚礼行列に劣らない豪華絢爛なものでした。
婚礼衣装は十二単
婚礼衣装は武家では打掛が一般的でしたが、将軍家では十二単を着用していました。これは3代将軍・家光の頃から公家出身の姫君を正室とする流れができていたからです。そのため婚礼衣装も公家風に十二単を着ることが決められていました。なお婚礼の際、将軍は武家の正装・裃を着ていました。武家風と公家風の衣装が並ぶ婚礼となっていたようです。