御台所の一日
時代によって変動はありますが、基本御台所の生活リズムは将軍の御成を中心にして決められていました。まず7時頃に目を覚まし、入浴、朝食、着替え、化粧をして将軍の朝の挨拶に備え、挨拶後将軍とともに御仏間に行き御先祖の位牌を拝みます。次に朝の総触に向けてお召し替え。10時頃に老女や中年寄などの奥女中を連れ、将軍の朝の総触を行います。自由時間を挟み午後に将軍を迎えるためまたお召し替えをして、将軍が中奥に帰ったら更にお召し替え。夕食を摂った後は夜の総触に向けてまたお召し替え。総触の後は将軍の大奥泊まりがない場合、自由時間を過ごし就寝というのが一般的な平日の過ごし方でした。このように将軍のためへと費やす時間が多く、衣装も何度も着替える生活だったと記録されています。
大奥の華にかかる金額は
一日に5回お召し替えをする御台所の着物代は年間で5000両から7000両ほどかかっていたそうです。1両=30万円で換算すると、なんと15億円から21億円も使っていた計算になります。大奥全体の年間維持費は約600億円とも言われていますから、老中たちが経費削減をはかったのも無理の無い話です。