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四季の行事

日本人が特に優れている感性のひとつに、四季を楽しむということがあります。大奥の人々も春夏秋冬の行事を楽しんでいました。春には正月に始まり、稲荷社を祀る初午、雛祭りや花見を行っていました。夏は釈迦詣でや端午の節句、氷室之氷頂戴という行事もあります。初代将軍・家康の祥月命日も夏のうちにあるため、将軍は東照宮に御参りします。このときも御台所は大奥から出られないため、大奥内で謹んで過ごしていました。秋は七夕、重陽、月見といった行事があり歌合や菊花の品評などが行なわれていました。冬には玄猪という御台所が上位の奥女中に餅を配る行事や、現在の大掃除にあたる煤払などがありました。

若干異なる季節の感覚

当時の季節のサイクルは現在とは少し違い、旧暦で1月から3月が「春」、4月から6月が「夏」、7月から9月が「秋」、10月から12月が「冬」でした。また行事が行なわれる月も現在と違うタイミングのものがあります。そのひとつが節分。2月ではなく12月末に行なわれていました。節分が終わると新年を迎える、現代人から見ると少し奇妙に感じるかもしれません。